京都そして京極での生活と子育てに、季節ごとの行事は欠かせません。

毎年5月18日に開催される御霊祭もそのひとつで、今年我が家の息子達は神輿の先導に加えて頂きました。法被にねじりハチマキで、午前中から夜まで、神輿会の男衆と上京区を練り歩きました。洛中で最も古いお祭りと言われている年中行事を通して、日本の伝統文化に触れ、町の方々に可愛がっていただき、かけがえのない経験だと思います。私自身も神輿会女性会のお姉様方に混じり、飲み物などのお世話をお手伝いさせていただきましたが、千年以上前から継承されている祭事に微力ながら関われることを光栄に思いました。

京極学区には、御霊祭の他にも出前商店街の七夕祭や地蔵盆、そして京極文化祭など、地域に根付いた行事が多々あります。日々の生活に加え年中行事を通して、歴史や文化を尊敬することを毎日の子育てに組み込むことが可能です。PTA行事ひとつ取っても、地域の方々の力添えがあり、学区全体が子育てを応援してくれていると感じます。新しいものを取り入れることは勿論大切ですが、「祭る」という伝統文化を重んじることとセットで子供達にも教えていきたいと改めて実感したのも、京都に、そして京極学区で子育てすることの魅力の賜物でしょう。

 2012年に、アメリカのシアトルで生まれ育った息子2人を連れて帰国し、京都に移り住みました。アメリカ人の主人と国際結婚して10年強、主人は同志社大学の大学院生になり、私はフルタイムの会社員で毎日大阪まで通勤という、珍しいシチュエーションのアラフォーの夫婦です。

 京都に引っ越しするに当たって、まずわが家の「ホームタウン」となる場所を捜そうと、WEBで京都市内の小学校や保育園について調査をしました。その「ホームタウン」の条件とは
  ・教育面がしっかりしていて、なおかつ学童保育のある学校
  ・自然が多く、ファミリーに親切な地域
  ・車がなくても不便ではない地域
  ・大阪へのアクセスが良い地域
  ・京都の、日本の良さを吸収できる環境
 リサーチを進める中で、この「京極小学校 子育ての魅力」のブログと出会い、思い切って管理人さんにメールで連絡を取りました。そこから、京極小学校でボランティア活動をされているお母さんも紹介いただきました(今もお世話になっています)。
 京極学区が、新参者の私たち家族の「ホームタウン」となったきっかけは、このような「人と人の繋がり」にあるのです。それは、自ら与えれば必ず返ってくる「思いやり」でもあります。

 日本語能力が乏しいにも関わらず、1人で地域行事に参加し、大学院を卒業してもこの地域に住み続けたいという主人。
 もしこの先、転校になれば6年生の修学旅行に行けなくなると心配する、京極小学校の5年生になったばかりの長男。
 2年前は殆ど日本語が喋れなかったのに、「ぼくはアメリカからきた京都人や」というようになった京都弁達者の次男。
 大きなスーパーより、地元の出町商店街で買い物する私。
 それぞれが、地域の人々と「繋がり」を作り、地域に溶け込んでいることを実感できています。

 京極学区では、何世代もこの地域に住んでいるご家族と、我が家のように数年でいなくなるかもしれない流動的な家族が、うまく共存しています。これらの人々が、小学校や商店街、地域の行事や活動を通して知り合い、お互いの「繋がり」を大切に継承しています。
 「そんな昔の人間模様は面倒くさい」と思われるかもしれません。でも、そんな「思いやり」のない地域で育った子供はどんな大人になるでしょうか。誰もがいつかは成長して社会で生きていく術を身に付けなければなりません。

 京極学区に引っ越してきて、今年で13年になります。引っ越してきた時は子供がまだ小さかったので、毎日の様にお散歩や、外遊びに出かけていました。
 近くには鴨川や、御所があり、季節のお祭りや行事もたくさんあります。子供みこしに上御霊神社のお祭り。出町商店街の七夕まつり。節分祭もあります。学区の回りには下鴨神社の〝みたらし祭”や、お散歩には糺の森などもあります。私自身が育ったのは新興住宅地で、回りには住宅ばかりで行事といっても年に一度の盆踊りがあるくらいでした。
 それにくらべると1年を通して色々な思い出がたくさんあるこの子供は幸せだなあと思っています。

子育てにとって、申し分のない場所ですね。
これだけ環境が充実していれば、ずーっと親子で楽しめるのではないでしょうか。お得な場所です(笑)

役所や病院が近い、駅が近い、図書館や美術館も気軽に行ける、商店街も目の前、そんな利便性もさることながら、幼稚園・小学校が近いことも素晴らしい♪
生活の場と教育の場が近いことは、実はたくさんのメリットがあります。筆頭としては、子どもを取り巻く人間がお互い顔見知りで連携しやすいこと、また、勉強の場と生活の場の共有部分が大きいことで、体験学習に厚みがでることや親子の会話が共通のベースで成り立つことなどでしょうか。
昔からあり、地域に育まれた幼稚園・小学校だからこそ、生活の場を生かして行われていることもたくさんあります。

そのほか特典としては、忘れ物を届けに行くのも、発熱時の急なお迎えも、雨や雪の日も、親はちょっと楽が出来ます(笑)
参観日も腰が軽いし、ちょっと行ってちょっと帰ってみたいな技も使えるし…(笑)
登下校も、いつもお遣いに行く道、お友達の家の前など、人目があり馴染みのある道を通るので、わりと安心していられます(あとは本人が道を歩く時のマナー次第です:汗)。
子どもが道でケガをした時メールで知らせてもらったり(Iさんありがとう)、下校時へたばってるところを助けて頂いたり(Yさん、すみません…)、ご近所さんからの手助けは、本当に有難いです。

それからまた、この出町界隈は、四季を楽しむにも大変良いところですね。鴨川、御所、相国寺…。
夏には大文字の特等席にもなります。授業や幼稚園の遠足にも、よく活用されています。
家族でお散歩したり、お花見に水遊び、ドングリ拾い。
思い出が一杯出来ました。

そうそう、楽しむと言えば、出町のお祭りやイベントの多さにはびっくりです。
出町は、人柄の良い楽しい方々ばかりなせいか、すごく活気があってフレンドリーです。
地域の方や商店街の皆さん、大学関係での取り組みなど、伝統的な行事から新しい試みまで、一年を通して様々な面白い企画が催されています。
幼稚園や小学校が一緒に参加するものもあって、そこから交流が生まれ、ごく自然に、地域ぐるみで子どもを見守る姿勢につながっているような気がします。

引っ越してきて8年ほどですが、出町の土地柄・人柄に育まれているここの子ども達は、「当たり前だけど素晴らしいもの」を受け取っていると思います。


桜の咲き誇る春の賀茂川。
緑の豊かな京都御所。
夏の風物詩、五山の送り火。
紅葉のきれいな相国寺。
ゆりかもめのやってくる冬の賀茂川・・・。
京極学区はこんなにも季節を感じられる所なんです。

それから桝形商店街。
住宅地とは違い、働いている大人達の姿を目の当たりにする事が出来る、生き生きと働く大人達の姿を見て育つ事はとても良いことだと思います。小学校では販売体験もあります。
下校時に商店街を通ると皆さんに「おかえり~!!」と声を掛けて頂き、子供達も「ただいま~!!」と答える。このやり取りが家へ着くまで繰り返されます。
こんな所、他にはないと思います。
何てありがたい事でしょう。子供と一緒に歩いていると私まで声掛けて頂いたり・・・。
この「ただいま」「おかえり」。素晴らしいと思います。
笑顔で答える子供達を見ていると、本当に地域の方に見守って頂き、大切に大切に育ててもらってるんだなぁ。と実感します。

また、商店街では7月に七夕まつりがあります。
商店街に夜店がいっぱい並びます。
他の地域からも沢山の人が来るお祭りです。
商店街の方がされる夜店・・・。これがまた安くて、子供だけでなく、大人も楽しめるお祭りです。

私が子供の頃、夏休みと言えばラジオ体操でした。
でも京極にラジオ体操はありません・・・。では何があるのか?!
「早起き散歩会」です。誰でも参加OKです。
夏休みの朝6時にスタートです。
弁天さん、鶴山公園、京極幼稚園、京極小学校の4ヶ所を好きな順に歩いてまわります。スタンプカードにスタンプを押してもらうのです。(このスタンプが昔から変わってない!と主人が言っていますが・・・?)
最終日には皆勤賞、精勤賞、参加賞が頂けます。
京極校の子供達は夏休み明けに皆勤賞の賞状ももらえるので、とても張り切って参加します。

11月には京極文化祭が行われます。
子供達の図工展やバザー等があり、又、地域で活動しているサークル(大正琴、フラダンス等)の発表の場でもあります。
文化祭の終わりには豪華景品の当たる大抽選会がありとても盛り上がります。
このように(一部しか紹介出来てませんが)地域の活動が盛んなおかげでしょうか、非常に事故や犯罪の少ない、安心して暮らせる所です。

が、子供の数が減っています。この京極学区の良さを、住んでいる私達が発信し、地域の方と協力しあって少しでも人が増えれば・・・。
また、そのお手伝いが出来ればと思います。

「登下校の時、おたくの娘さん、ちゃんと挨拶してくれはりますよ」 寺町通りのお店の方にそんな声をかけられました。娘が京極小学校に通っていたときの話です。人前に出ると自分からしゃべることが苦手で…そう思いこんでいた私には意外なことでした。それにもまして、家族以外に毎日娘のことを見ていてくれる人がいる、そしてその子がどこの家の子かもちゃんと知ってくれている人がいる…この地域のすごさを改めて感じました。実は私も京極小学校の出身。私の母も、その母も。ずっとこの地域に暮らして、若いときは正直息苦しいと感じた時もありました。しかし子どもを持ってからは、その息苦しさは安心感に変わりました。子どもを見守る多くの目があることのありがたさを知ったのです。

今、京都では「先進的な教育が受けられる小学校」が人気で、そのために学区を選んでの転居も多いそうで、人気の余り地価にまで影響がでていると聞きました。でもそれが本当に子どもにとって一番の教育なのかなぁと思ってしまいます。
京極小学校は、まわりを御所や鴨川、歴史に登場する名だたる寺社に囲まれ、加えて桝形商店街という人間味あふれる地域をも含んでいます。子どもが育つのは学校の中だけではありません。自然の中で四季を感じ、小さな命にふれ、また今は理解できないかも知れないけれど、素晴らしい歴史的文化財を目にし、色々な人たち(それも個性的な)とかかわることで、子どもたちは教科書には載っていない大切なものを学んでいくのではないでしょうか。

そういう私も、あと数年で子育てを終えようとしています。子どもたちに与えていただいた温かい心を、今度は私がお返ししていく番だと思っています。しかし残念ながら京極小学校は、年々児童数が減っています。このままでは町から子どもの声が聞こえなくなってしまうのではないかと不安です。私のように子どもたちを「見守りたい」おじちゃん・おばちゃん、じいちゃん・ばぁちゃんが、京極学区にはたくさんいます。是非、若い世代にこの地に移り住み、根付いていただきたい。子育てと同時に自身もこの町を共に作り、楽しむ仲間になってもらいたい。そんな思いで今この文章を書いています。

まもなく(平成22年3月)次男が京極小学校を卒業し、私も9年間の京極小学校のPTAを終えます。長男が1年生の途中で京極小学校に転校して来て、その時に印象付けられたのは、先生方と子ども達の近さでした。妻が始業式を見て帰ってきて、「前の小学校では、校長先生は舞台の上から話をしていたが、京極小学校では生徒と同じ高さで話しをする。しかも、スピーチの最中に生徒の列の中を歩き回って、生徒たちに冬休みのインタビューを始めた」と感激していました。
私も、参観日などに小学校に行って、校長先生が生徒全員(当時はまだ200名ほどいました)の名前を覚えていて、みんなに下の名前で声をかけているのに驚きました。そればかりでなく、全ての先生が、全学年の生徒の顔と名前を知っているのだということが、まもなくわかりました。

先生だけではありません。学年を超えた活動が盛んで、上級生になると、生徒も下級生をよく知っています。学区内の児童公園(鶴山公園)では、3学年ぐらいが混ざって遊んでいる風景をよく見かけます。ある兄弟が引っ越してきて、その当日に鶴山公園に行ったら、そのまま仲間に引き入れられ、数日後に初登校した時には既に何人も友達ができていたなどというのも、京極小学校ならではのエピソードです。

その後、私はPTA会長を引き受けることになるのですが、たいへん楽しくやらせていただきました。学校とPTAが対立する場面などなく、子ども達のために一致して取り組むことができました。小規模な小学校では、PTAの親同士も良く知っている関係であり、変なことをする人はいません。また、京極小学校では、地元の自治会や商店街が、新参者にすぎないPTA会長を立てて、全面的にバックアップしてくれます。たとえば、PTA主催のマラソン大会などでも、地域の方がたくさん出て沿道の見張りや、子ども達の世話をしてくれます。一般に京都の町は新参者には冷たいのですが、京極学区では、町のために働く者はだれでも歓迎する風土があります。

要するに「顔の見える関係」ということではないかと思います。今の都市社会では、互いを知らないことから、警戒感が生まれ、皆が身構え、人の関係がギクシャクしています。それに対し、京極学区では、かつての日本の地域社会の暖かい面が、良い形で残っています。学校、PTA、地域の人々が連携し、常に子供たちの育成と安全に目を配っています。
残念なことに、今は、設備の新しい大きな小学校の人気が高く、小さな学校には人気がないのが実態です。しかし、子ども達にとって本当に大切なのは、設備ではなく、暖かく見守ってくれる人々ではないかと思うのです。